[時事寸語]= 短時間で処理された命

 北総線・印西牧の原駅。午後三時、女性が特急に跳ねられ、即死。列車は現場に十分停車し、午後三時四十分には運行再開。遅れは十五分。ニュースはそう伝えた。死の報は、まるで天気と同じ温度で告げられる。警察は「自殺とみて調べている」と言い、鉄道会社は「お客様にご迷惑をおかけしました」と頭を下げる。死者の名も年齢も伝えられず、ただ「遅延十五分」「影響二万人」という数字だけが残る。命はここでも処理の対象であり、再開のための障害でしかない▼「運行再開」「現場検証終了」「安全確認」。言葉の一つ一つは正しい。だが、その正しさ ...

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