日本の年末恒例行事――それはボーナスでも紅白でもない。「警察不祥事ラッシュ」だ。盗撮、麻薬、情報漏洩に続いて、今度は捜査資料の偽造、報償金の詐取、勤務中のギャンブル。あまりに多彩すぎて、もはや「警察不祥事二〇二五冬コレクション」と呼びたくなる▼大阪府警の巡査(三九)は、防犯カメラを確認すらせずに「映像不鮮明」と報告書をでっち上げ、自分で被疑者の署名を“代筆”。さらに自分の指で押印して偽造を完成させたという。仕事が「追いつかず」「逃げたかった」という理由らしい。これで在宅起訴。つまり、現実の犯罪捜査よりも、犯罪の捏造のほうが手慣れていたということだ。「処理が追いつかない」と言いながら、虚偽の書類を作る余力だけはあったのだから見上げたものである。大阪府警では“嘘の文書作成”が新しい時短術なのか▼山形県警では、六十代の巡査部長が家族の勤務を偽り報償金を不正受給し、発覚を恐れて防犯カメラのハードディスクを屋外に投げ捨てた。パトカーのSDカードも証拠隠滅のため廃棄。「家族の今後の生活を考えた」と供述したというが、職を失って家族の生活を壊したのは自分自身だ。県警は恒例のコメントを発表した――「警察官としてあるまじき行為」「信頼回復に努める」。この文言、もはや定型句ではなく社是である。むしろ「信頼を失うのが通常業務」なのだろう▼長崎県警では勤務中に三千八百回も舟券を購入していた巡査部長が登場。勤務中にだ。三年間、約三千八百回――もはやギャンブルが本業で、捜査が副業だったとしか思えない。さらに借金を膨らませ、不倫まで抱えて依願退職。「考えが甘かった」とのコメント。それを言うなら、「職務中に舟券を買いながら恋愛に励んだ自分をどう評価すべきか」まで答えてほしい。彼の“多忙な公務”に敬意を表したい▼それでも、各県警のコメントはどれも同じ。「再発防止」「信頼回復」「指導徹底」。言葉の意味が完全に死んでいる。指導されていないのか、されても理解できないのか。どちらでも悲劇だ。だが、悲劇より深刻なのは、誰も驚かなくなった現実だ。ニュースを見ても「またか」で済む。警察が犯罪を犯しても、もはやニュースバリューがない。不祥事が例外ではなく日常。倫理が例外であり、誠実が特例。国民の信頼?そんなもの、警察の辞書にはもう載っていない▼こうして年の瀬を迎える。警察は「信頼回復に努める」と繰り返し、社会は「はいはい、またね」と聞き流す。つまり、警察にとって不祥事とは仕事の一環。逮捕と偽造、詐欺と懺悔、その全てが日常業務――「通常運転」だ。

![[時事寸語]= 不祥事が通常業務の警察](/image/template-header.jpg)