[時事寸語]= ぬるくなったマスコミ

 昔の記者会見には、確かに緊張があった。権力と報道の間には、まだ火花が散っていた。佐藤栄作首相の退陣会見で、記者が首相批判を撤回しないなら出て行けと言われ、本当に全員が席を立った――そんな場面は、今ではもう想像もできない。会見場を出て行ったのは、質問権を守るためであり、同調圧力ではなく良識の連帯だった▼だが、いまの会見はどうか。総理も知事も、笑顔を浮かべたまま、予定稿のように言葉を並べ、記者はその言葉をきれいに録音する。質問は指名制、指名は順番制、順番は暗黙の序列で決まる。異論を挟めば次から呼ばれず、追及す ...

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