◇ 記者クラブ開放への姿勢
あくまで私個人の考えではあるが、記者クラブは開放すべきと考えている。それはジャーナリストが自由な発言の場を持ち、質問する。そして権力者がそれに対して答えを返すという民主的な第一歩の実現に不可欠だと考えているからだ。既存のマスコミは、どうしても広告主や社内のヒエラルキー構造から質問ができないことがあるため、それを補う目的でフリーのジャーナリストを参加させるべきだ。
しかしながら、やみくもな開放には明確に反対する。今年一月に行われたフジテレビの会見は、やみくもに開放して失敗した最たる例であろう。数百人が参加し、会場はごった返し、まるで自らの主義主張の宣伝の場のように使ってしまった者もいた。結局、この件は「記者が無礼だ」という世論を形成することになった。このような事例もあり、私はやみくもに会見を開放すべきではないと考える。
現在も一定の会見の開放は行われているが、フリージャーナリストの新規参加のハードルはあまりにも高い。日本新聞協会の認める社での執筆経験を求められるとか、幹事社の推薦が必要とか、日本記者クラブ(ここで指す記者クラブとは別の組織)に加入していないといけないなど、参加のハードルが高すぎる。また、もし仮に新規加入ができたとしても、会費の支払いなどの義務が生じてくるし、負担は決して安くはない。
◇ 参加ハードルを下げて開放を
記者クラブの参加ハードルが高いことから、私はそのハードルを下げるべきとは考えている。幹事社の推薦の条件緩和。会費負担の低額化。推薦要件の廃止などは必要であろう。そのうえで開放の方向へ舵を切ることが必要と考えている。しかしながら全面緩和を行うべきではないだろう。「自称新聞記者」が参加する会見がロクなことにならないのは、十分証明されたものである。
さらに言えば、警察記者クラブもやみくもに開放すべきではない。確かに警察とマスコミの関係には、相当危ういものがある。だからといって一般向けに開放すれば、これまた誘拐、強盗、立てこもり事件などの発生時に人命保護に支障を来すことは間違いないだろう。警察本部長や刑事課長の定例会見は開放するべきであろうが、全面開放はこれまた危うい。


