適材適所はどこへ消えた▼政権交代ならぬ「連立交代」の衝撃が、永田町を駆け抜けた。26年続いた自公の蜜月に、あっけない幕が下りる。そして残された高市新総裁は、幕引きどころか開幕すらままならぬまま、政治劇の主役に押し上げられた▼「馬車馬のように働く」と唱えた彼女の決意表明は、皮肉にも今、その言葉の重みを自らに返している。組む相手を失い、支持基盤を揺るがせ、なお「全世代総力結集」と訴える姿は、歯車の噛み合わぬ歯車のようだ▼石破前首相の再登板を求める声すら上がるなか、政権の浮沈は次期臨時国会にもつれこむ。政党の運命が一人の手腕に委ねられる構図は、あまりに危うい。連立解消が象徴するのは、信頼の断絶である。対話を怠った政治が迎える当然の帰結とも言えよう▼「自由になさってください」とは、公明・斉藤代表の皮肉交じりの一言。かつての協力者にそう言わしめたのは、誰あろう自民党自身である。失った信頼を取り戻すには、数ではなく誠意が必要だ▼砂上の多数より、信頼の一票。政権の命運は、そこにある。

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