[時事寸語]=自転車の交通反則金導入

[時事寸語]=自転車の交通反則金導入

 「法律は国民の安全のためにある」、などと誰かが言った。しかし現実の法律は、とかく国民の財布と、警察庁の“効率化”のために進化する。来年から自転車にもついに「青切符」が導入される。54ページにも及ぶルールブックが威圧的に並ぶその姿は、「青切符」が市民の味方ではなく、新たな罰金産業の門出を告げているようだ▼スマホ片手の“ながら運転”は即1万2千円。これまでなら「危ないよ」と警告一つで済んだ軽微な違反も、今や現場の警官の気分ひとつで即「犯罪者候補」扱い。行政の裁量が青切符を手にずしりと重く握る。「迅速化」「前科が付かない」といった美辞麗句も、要は「余計な手間をかけず金を取る仕組み」の新装開店だ▼ふと思う。なぜこれほどまでに「罰金」で締め付ける必要があるのか。道交法の改正も、「自転車事故が増えたから」と説明されるが、その前に歩道と車道がごった煮のインフラや、自転車レーンの貧弱さには目をつむる。責任は常に市民へ、システムの欠陥は誰も問わない。市民の命も財産も、まずは自分で守れ――。役所の常套句がまた一つ増えた。▼イギリスでは「政治家の暮らしは中流」と言われる。なぜなら“無駄な金はもらわない・払わない”のが常識だからだ。一方日本は、罰金・反則金の名のもと、市民の懐をじわじわと締め付ける。それで本当に安全な社会が育つのか、それとも社会全体が萎縮し、警察国家の地ならしになるのか。自転車が「庶民の足」だった時代は遠い昔、いまや“金を落とす移動手段”である。▼割引も還元もない青切符。54ページのルールブックは、何よりも国民の知恵と反骨心で読み解いていきたい。青切符が、やがて「青息吐息」の象徴にならぬように。

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