高市早苗の外交を「成果」と呼ぶなら、それはもはや皮肉ではなく悲劇である。台湾有事発言からわずか数週間で、日本は国際社会の信頼を削り取り、経済も文化も人的交流も軒並み冷え込んだ。茨城空港では上海便が運休。唯一の中国路線が消え、理由は「旅客需要の低迷」との説明だが、好調だった搭乗率を考えれば真相は明らかだ。中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけて以降、観光客は引き、航空便は止まり、民間レベルの交流まで凍りついた。外交の失敗が地方経済を直撃しても、首相は知らぬ顔で「自由で開かれた国際秩序のため」と演説を続ける。現実には閉ざされていくばかりの国際関係の中で、その言葉だけが空虚に響く▼香港政府は日本総領事館との交流を停止。企業イベントも中止され、総領事との面会までキャンセルされた。中国に追従する形で香港までが背を向けた。もはやアジアのどの窓口も日本に開かれていない。かつて「経済と文化の架け橋」と呼ばれた香港との関係は、高市の一言で断絶の危機に陥った。これが“害交の成果”である。尖閣国有化のときすら絶たれなかった公的交流が、今や完全に凍結された。外交の経験がない首相が“毅然とした対応”を掲げ、結果として誰も日本と話をしなくなった。国際社会で最も恐ろしいのは「無視される国」になることだ▼国連では日本大使が書簡で反論し、中国はさらに反発。事務総長報道官は「対話を通じた緊張緩和が重要」とコメントしたが、要するに「子どもの喧嘩をやめろ」と言われたに等しい。大国の名を借りて国際舞台で恥をさらす首相。しかもその発言を訂正するどころか、「日本は誤っていない」と繰り返す。まるで外交を競技か何かと勘違いしている。勝ち負けではなく信頼の問題だという基本を忘れた政治に、未来はない▼春秋航空の運休は一つの象徴に過ぎない。輸出入の減速、観光の停滞、留学生の減少、文化イベントの中止──これらは「安全保障」を口実にした政治的挑発のツケだ。彼女の“国家観”とやらが守るのは、国の安全ではなく、自分の支持層の満足感である。言葉の強さを誇りながら、結果は国益の喪失と外交孤立。国際政治の場で相手を怒らせるのは簡単だが、信頼を取り戻すのは何十年もかかる。高市政権はその重みを知らない▼「害交の成果」とはつまり、失言を国策に変え、孤立を自立と呼び、崩壊を誇りと錯覚する政治の行き着く先である。アジアの信頼を失い、欧米にも距離を取られ、国内では「毅然としている」と持ち上げられる。高市早苗という首相のもとで、日本は“世界の舞台”から降り、“自国の幻想”に閉じこもった。外交を破壊することでしか存在感を示せないリーダーほど、国にとっての害はない。これが彼女の“成果”だとするなら、それは記録ではなく、国の恥として永く刻まれるだろう。

![[時事寸語]= 害交の早苗の成果](/image/template-header.jpg)