[時事寸語]= 高市サンと森友の神隠し

[時事寸語]= 高市サンと森友の神隠し

 「働いて、働いて、働いて」。高市新総裁の言葉は「希望」よりも「疲弊」の響きを強めた。全員に馬車馬のように――その精神主義は昭和への回帰か、はたまた新しい時代の皮肉な始まりか。過労死弁護団や遺族からは「命を守る気持ちがない」との批判がやまない▼政府は長らく「健康第一」「働き方改革」を掲げてきた。しかし、リーダーのひと言が現場に新たな「無言の圧力」を与え、また長時間労働やパワハラが正当化されていく。SNSでは「決意表明」と擁護する声も目立つが、総理の言葉が社会に与える影響は計り知れない▼森友学園問題では、ごみの量も政権の都合で大きく変動する。地下深くに埋められるのは、ごみばかりでなく、不都合な真実や説明責任もまた然り。表向きの改革が進んだように見えても、実態は何も変わらないまま時が過ぎる▼自民党の新執行部は「不安を希望と夢に」と宣言するが、その希望が「働き続けろ」という古い精神主義の焼き直しでないことを願う。現場の声や実効性のある改革は、どこまで届くだろうか▼政治に必要なのは、精神論でも隠蔽でもない。働く者の命と健康、多様な生き方を本気で守る覚悟だ▼「馬車馬」発言に象徴される古い時代の呪縛から、本当に自由になれる日はいつ来るのか――政治に問い続けたい。

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