
厚生労働省が2022年9月に発表した医療施設調査・病院報告によると、同年10月1日現在の医療施設数は計18万1093か所に及びました。さて、精神科の平均在院日数は精神科で277日にも及ぶというデータになっています。もっとも、平均と中央値には大きな差があるため、平均は必ずしも実情を表しているものではないという注意点はありますが、期間だけで見ればかなり長期間となります。
精神科の入院区分には
などの区分がありますが、特に長期化の様相を呈しやすいのは、前2項とされています。かつて社会問題になった1984年の栃木県精神病院リンチ殺人事件や、近年報道される精神科病院の退院不能問題の多くは、その区分の多くが措置入院や医療保護入院であることが判明しています。また、一部の事例ではありますが、生活支援が困難になった。財産が欲しいなどの理由で、近親者が医療保護入院制度を悪用し、入院させるという事態も発生しています(報徳会宇都宮病院事件、滝山病院=閉院=事件など)。そのため、病的な思考がないにもかかわらず、長期間にわたって退院できないという事態が往々にして発生することがあります。もっとも、法律上は退院支援などが行われているものの、その制度自体はやや形骸化しています。
結論から言えば、電子機器の使用が可能という状態であれば可能です。退院請求は、
で可能ですが、実際の運用を見る限り、口頭で申し出る機会はほとんど限られていますし、郵送での退院請求は荒波を立てます。また、審査課に電話して退院を申し出ることも制度上は可能ですが、結局は郵送するように指導されることが多いものです。そのため、手段として最も有効なのは、FAXによる退院請求となります。
オンラインファックスサービスの「fax plus」というサービスがあり、このサービスは1か月につき10枚までのFAXをPDFで送信することができます。Googleアカウントの登録のみで送信することができるため、容易です。
このサービスから、退院請求を送信することが可能です。
この画面の上部の「FAXを送信」から、退院請求書を精神医療審査会の審査課あてにFAX送信すると、PDFをそのまま送信することができるため、容易かつお勧めできるサービスになります。審査課のFAX番号などは、よほど劣悪な精神科病院でなければ院内の公衆電話付近にポスターとして張り出されていますし、もしなければインターネットの検索で「”**県” “精神” “審査課” “FAX”」などと検索すると出てきます。
審査課に提出する書類は、現在(2025年10月)は特に決められた様式はありません。ですが都合上、正式な審査請求として申し立てるために様式を揃えたほうが確実でしょう。訴状形式になりますが、入院先の精神科病院を相手方、請求者を申立人として記載します。
(1)統合失調症の場合
「記憶の錯綜や被影響体験については既に消失しており、現在は日常会話において明確な論理展開が可能であること、及び自身の状態についての理解(病識)も相当程度回復していることから、引き続きの社会復帰支援は通院下での対応が適切と判断し、退院を請求する」。
(2)双極性障害(躁状態での入院)
「昼夜逆転や過活動傾向、対人干渉的行動は既に収束を見ており、軽躁状態にあった初期とは異なり、現在は薬物治療に対する自発的な同意と継続意志が確認されている。これらの状況を踏まえ、緩解状態にあるものとして退院を請求する」。
(3)双極性障害(うつ状態での入院)
「気分の持続的な抑うつ、希死念慮は顕著に軽減しており、自己評価の回復、対話意欲の再獲得が見られる。処方薬への依存や急性自傷の危険性も消失しているため、退院を妥当と判断するに足る緩解が得られている」。
(4)PTSD(外傷後ストレス障害)
「フラッシュバック・回避行動・過覚醒といった症状群は治療的枠組みの中で明らかに減衰しており、当該トラウマに関する言語化も可能になっている。社会的生活を送るうえでの基本的適応力は保持されており、通院でのケアに移行可能な段階と認識する」。
(5)汎用文言
「本人の精神状態については、入院当初に認められた急性期症状が現在は明らかに緩解しており、疾病理解・服薬遵守・自己管理に関する意識も回復している。これにより、現状においては継続的な隔離環境におくことの医療的合理性は失われており、退院が妥当と判断される」。
(5の2)「入院決定の基礎となった他害・自傷の具体的危険性は、現在においては存在せず、行動抑制および判断能力は明確に回復している。引き続き通院による治療継続が可能な状態であり、当該措置の継続的必要性は消失しているため、退院を請求する」。
PDF版とWord版を用意しました。Word版のほうが比較的綺麗に書けると思いますので、Googleドキュメントなどを使って編集してください。
PDF版
Word版
患者は、精神医療を受ける権利を有するとともに、退院を請求する権利もあります。不当な入院に困っている方や、長い入院に困っている方は遠慮なくお問い合わせください。作り方までサポートすることが可能です。